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2025 / 06 / 25
11:27

「おとうさんのポストカード」講談社 第二次世界大戦の中で6歳の少年とお父さんが交換した愛のポストカード

IMG_3436.JPEGおとうさんのポスカード 講談社

これは実話です。

第二次世界大戦の前夜、迫害を受けるユダヤ人の子どもたちを救った「いのちの列車」キンダートランスポート。

乗れるのは子どもだけ。運良く乗り込むことができたハインツ少年だが、それは最愛の父との別れでもあった。

ドイツのベルリンに残り、他のユダヤ人たちの亡命を助けながら、なんとか息子のもとへと、足の悪い祖母とともに何度もけんめいに脱出を試みる父。

その間に、父は、ヘンリーと名前を変えて暮らし始めた息子に、元気でいるか問いかけつつ、なにげない日常をつづったポストカードを送り続ける。

だが、戦争が始まり父からのポストカードが途絶えてしまったとき、ヘンリーはおとうさんに捨てられたのではと不安になるのだった…。

そして戦後におとうさんの真実を知ったとき、ヘンリーは気がつくのだ。どれだけ自分が愛されていたかを。

戦争は人の何を奪うのか、あらためて考えてながら書き下ろした作品です。

もともとはジャーナリストの中村真人さんが取材し記事にまとめたものを読ませてもらい、まだ存命されているヘンリーさんの許諾をもらい資料のポストカードをお借りし、子どもの読者にも伝えられるよう、ぼくが物語化したものです。

書きながら、僕も父ととして、子として涙が止まりませんでした。

戦後80年の今、ぜひ読んでもらいたい作品です。

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