当然ながら娘たちの不要になったものもほとんど残っていない。そんなとき次女が僕のところにライクアバイクをひきずってきて、
「これは宝物なの、わたしの子どもにあげたいから、パパのとこにかくしておいてね」
次女は、奥さんに捨てられたくないものはいつも僕のところに持ってくるのである。 さすがにこんなに大きなものは、机の下に置けないから、要相談だが、
「大事なものだったら、ママだって、わかってくれるからだいじょうぶだよ」
僕はそう応えて、二十年先へのおさがりか…とつぶやいた。自分の孫のことを考えたのは初めてだ。
(フリーペーパー「自転車生活と人と地球の応援マガジンGreen・Mobility」(インタープレス)に連載中のエッセイ「ちょっとそこまで」のVol.6より転載。
©Jun NASUDA2009