もっともその時間にさっと机に向かえるわけでもなく、結局、その三十分で、もう一品ぐらいおかずを作ることにした。それも自分のために。子どもたちや奥さんのおかずは、お弁当のときに用意してしまうので、ふだんあまり食べれないものをちょこっと。
前々回は鳥のモツ煮を、そして前回は鮭の土佐作りとしゃけ皮焼きを作った。
こちらにいると生のサーモンは簡単に手に入るので、まとめて買って刺身用の柵にさばいてから冷凍にしておく。そのとき皮が大量に出るのだけど、これを適当に切ってやはり冷凍保存しておき、必要なときに解凍してフライパンで塩焼きにするのだ。
青熊は晩酌の習慣はなく、飲むのはお客さんがきたときと深夜のナイトキャップだけだけれど、おつまみふうの惣菜というのはご飯にも合うでしょう?
ただ、ちょっとアクセントの濃いものは奥さんも苦手だし、子どもも好まないだろうということで一応、こういう手のものはつくり控えをしていたわけだ。
ところが、「さあ、飯にしようぜ。きみは鳥のから揚げ、いいねえ。パパはしゃけの皮だ」と箸をもったとたん、
「えっ、ほしいの、これ? これ、魚の皮だよ。口に合うかどうか…」
「おいちい」
「好きなのか、まじで? でも、塩味きつくない? 腎臓にもわるいぞ。 あっ、泣くな、やるから」
「メア(もっと)」
「あのさあ、それって四枚目だけども…」