「日曜日の現実」
以前、日本の雑誌を読んでいたら、ある男性作家がインタヴューで、「子どもですか、仕事中に邪魔されたって別に気になりませんよ…」というようなことを語っていた。
すごいと思う。
だが、僕にはとうてい無理だ。部屋の長さが二百メートルぐらいあって、むこうの隅のほうで娘たちが静かにママゴトしているのなら文句はない。
でも実際は、僕の背中のすぐうしろにドアがあり、廊下をはさんで子ども部屋になっている。
日曜日ともなるともうお手上げである。朝から喧嘩で、泣き声がやんだなと思ったら、プリンセスに扮した娘たちがしずしずと入場してくる。「パーティが始まるからパパもどうぞ」などと誘ってくれるのだが、「原稿書いているからあとでね」と断る。それもつかのま、今度は「パパ、死なないで!」という娘のただならぬ叫び声が。なにごとかと見に行くと、恐竜になった次女に、ぬいぐるみ熊一家の父親が食われているところだったりするのだ。
ためいきをついていると、奥さんに、カフェにいってきたらと言われた。
作家のケストナーは、かつて、ベルリンのカフェを書斎代わりにし、女性秘書に口述筆記をさせながら小説を書いたという伝説がある。