青熊ラジオ

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 日本は、どうやら選挙の公約を全部捨てて、消費税の増税に本格的に舵をきったようだけれど、ドイツは5年前から19パーセントである。ただ税のあつかい方とか、使用目的が、日本で今、話されているより(話されているのかな?) もっとわかりやすい気がする。そういえば、ドイツの諸費税が値上がりした当初につづったエッセイがあったので載せておきます。今11歳の長女が、まだ6歳とある、ちょっと懐かしい。 

 

 

19パーセントの憂鬱

 

 年明けそうそうに、隣のキオスクで新聞を買ってきたのだが、そこに挟まれていた電気店のちらしを見て、ちょっぴりうなった。

オール19%引きとある。

やけに中途半端な数字に思えるが、じつは、ドイツでは今年の一月一日から、消費税(ヨーロッパでは正式には付加価値税と呼ばれる)が従来の16%から3%あがって、一気に19%になったのだ。このバーゲンセールは、それを逆手に取ったものにちがいない。

こちらでは、一般的な日常品などは内税になっていて、レシートのすみに内訳として、消費税分はいくらと明記されているだけだ。それもあってこれまであまり意識しなかったけれど、一挙に3%も上昇するとなると、さすがに憂鬱である

  年末には、かけこみで、車や高額な電化製品などがずいぶん売れたという。わが家でも、そんな世の中の反応に、なんとなくせっつかれて「せめてガソリンぐらい入れておこうか」と、あわててスタンドに出かけたものだ。

この消費税の大幅なアップには、もちろん国民の7割が反対したそうである。ただ、国の財政赤字を一挙に解消して、子ども世代にツケを残さないためという考えは、理性的に考えれば評価できるし、食料品など税率が7%に軽減されているものは、今回もそのままに抑えられたので、デモやストライキまでには至らなかったのだろう。

この税が軽減されているものは、食料品の他に近距離の交通費など日常生活に深くかかわるもの。つまり国民が生きていく上で最低限度必要とされるものだという。この項目に、書籍や雑誌、新聞、コンサートや映画などの文化にかかわるものが入っている。心を豊かにするものはぜいたく品ではなく必需品というところは、さすがである。ヨーロッパの主な国でもその点は同様なので、日本も消費税論争が起きているようだが、ぜひ参考にして欲しいものだ。

とはいえ消費税の値上げはやっぱり痛い。せめて、クリスマス期間にゆるんだ感覚を元に戻そうと考え、娘たちを呼んで、

「明日から、もうスーパーにいくたびにお菓子っていうのはなしだぞ」

 「えっ、どうして?」

 税金云々はさすがにちょっと難しいだろうと思って、チョコの値段があがって大変なのだとこぼすと、六歳のMIOが、

「それなら自分で買うからいいよ」

とけなげなことを言う。

 子どもたちは、パンなどを買いにいって、小銭があまったらときどき小遣いとしてもらっているのである。

 姉の横で、三歳のAKIもうなずいて、

「でも、つかったらへるから、おサイフにまたお金をいれておいてよ」

 うーん、そうきたか…。

 

(このエッセイは、2007年に浜松百撰に掲載したものを修正しました)

 

©Jun NASUDA2007